頭の体操

頭の体操として、以下を考えてみました。

  • 一組のお父さん、お母さんから生まれうる子供の種類は?
  • 30年前に地球24個分とされたコンピュータは、現在どのくらいの大きさ?
  • AKBのCDを何枚買えば、ポスターコンプの確率が50%になるか?

最後の問題は未解決ですので、回答お待ちしています!

はじめに

電車内でボーっとしているときなどに、ふと疑問が生じることがあります。

その場で、基準となる数字をスマホで調べて、頭のなかで概算して一人で納得します。(SNSに投稿もします。)

本稿では、それらの「頭の体操」をご紹介します。

一組のお父さん、お母さんから生まれうる子供の種類は?

あるとき、ふと思った疑問です。

問い

  • 一組のカップルから、遺伝子的に何種類の子供が生まれる可能性があるか?

あるいは

  • 一卵性双生児でなく、第二子が第一子と同じ遺伝子になる確率は?

ただし突然変異は考えません。

解答

まず、生殖細胞(精子および卵子)の種類を考えます。

染色体の数が23対で、一対からどちらかの染色体が選ばれます。とすると、生殖細胞の種類は223種類ということになります。

210が約1000なので、223 ≒ 約800万種類。

そして子供の種類はそれらの組み合わせなので、

  • 223 × 223 = 246 ≒ 約64兆種類

あまりピンときませんね。

イメージ

現在(2014年)の地球の人口が約70億です。

ですので、すべての種類の子供が生まれたとすると、地球約1万個分の人数になります。

すべての人が、「神様が地球1万個分の可能性の中から一人だけ選ばれた、奇跡のような存在」、ということになります。

(2016年2月7日追記: 地球約1万個もイメージが沸きにくいかもしれません。一円玉の直径が2cmです。2m四方に敷き詰めた一円玉を想像し、一円玉各々が地球だとイメージしてください。その中から、一人をつまみ上げ、この地球に移すことを0.23秒ごとにしているのが神様です。)

30年前に地球24個分とされたコンピュータは、現在どのくらいの大きさ?

私が中高生くらいのときに「将棋のコンピュータは地球24個分」というはなしがありました。(もしかしたら12個分だったかもしれませんが、これくらいは大きな誤差ではありません。)

ふと「これが現在だったらどれくらい小さくなっているだろう?」と疑問に思いました。

これは恐らく、「全局面をストアするメモリの(物理的)大きさ」のニュアンスであったと思います。しかし後述しますが、そんなことはできないようです。

尚、現在のプロ棋士に勝つ将棋ソフトウェアとは関係ありません。(もちろんCPUのスピードとメモリの大きさによるところが大きいとは存じています。)

問い

前置きが長くなりましたが問い直しますと以下になります。

  • 30年前に地球24個分必要であったコンピュータ(メモリ)は、現在どのくらいの大きさか?

計算には「ムーアの法則」を使います。これはインテルの創業者の一人のムーアさんが説いた、「半導体の集積度は1.5年で2倍」というもの。

半導体の形成が平面とか立体形成が可能なのかとか、集積度の論理限界とかあるかもしれません。

しかしそれらは考えず、単純に「メモリの体積はムーアの法則で小さくなる」とします。

解答

するとメモリの体積は、15年で約1/1K。(「210 ≒ 1000」を使って1000=1Kとしています。以下K、M、G、Tを使用。)

30年では約1/1Mになります。

一方地球の体積は1兆9千億m3。地球24個分は、もうざっくりと約50T m3です。

従って30年後のメモリの大きさは、50T m3 ÷ 1M = 50M m3。約5千万立方メートルです。

これまたピンときませんね。

イメージ

東京都水道局の「貯水量情報」によると、2014年8月15日における、矢木沢ダムの貯水量が「8,984.7万m3」、奈良俣ダムの貯水量が「6,938.1万m3」です。

つまりは、「30年前に地球24個分だったコンピュータ(メモリ)は、現在、大きめのダム1杯分」です。

頑張れば作れそうですね。

全局面ストア可能?

さて章の冒頭で触れました、全局面ストアは不可能な話です。

囲碁9路盤必勝法さんの「囲碁の局面の変化数は10の360乗で将棋・チェスの変化数を上回る」に、チェス、将棋、囲碁等の「局面の変化数」の数字が乗っています。残念ながら参照元はデッドリンクです。

「局面の変化数」が文字通りの局面数かは分かりませんし、計算方法も不明ですが、これによると局面の変化数は以下です。

  • チェス : 10120
  • 将棋 : 10220
  • 囲碁 : 10360

もう、肩の数から不可能そうですが、その上に「全宇宙の原子の数」なんてものも載っていて、それより多いことからも実現不可能です。

ということで、私が中高生の時の「地球24個分」は何だったのでしょうね。

AKBのCDを何枚買えば、ポスターコンプの確率が50%になるか?

まず最初に、この問は解けていません。(2016年2月7日追記:解けました。)

Wikipediaの、AKB48のページの2011年1月21日の版の「独占禁止法違反騒動」の節をご参照下さい。

まとめますと、「CDに44種類のポスターがランダムについてきて、これを全種類揃えると特別イベントに参加できる、という企画をしたところが独占禁止法に抵触するということで取り止めになった」、とのことです。(48種類でないのですね。)

上記記事では、「1回も同じポスターが出ることなく全44種のポスターが揃う確率は、計算上で77京1468兆8909億1789万4000分の1」とのことです。

これは恐らく単純に、1/44!の計算値だと思います。多倍長整数演算のシステムがあれば計算できなくもありません。

そして「1回も同じポスターが出ることなく全44種のポスターが揃う確率」という問いの立て方も意味がないような気がします。

問い

そこで以下の様な問いを立てました。

  • CDを何枚まで買えば、全44種類のポスターが揃う確率が50%になるか?

(薬剤におけるED50と同じ考え方です。)

ただしポスターは無限にあり、各ポスターの、CDに付属する確率は等しく1/44とします。もちろん他の購入者との交換は考えません。

この問題はまだ考え方の緒にも付いていません。(3種類とか単純に考えようとするのですが、考える場所が電車内なのですぐにオーバーフロー。)

このような問いの解法が明らかになれば、携帯・スマホゲームの「コンプガチャ」が、どれくらい悪徳か計算できるようになると思います。

みなさんも考えてみてください。

(2016年2月7日追記: この問題の解法は「AKB48のポスターのコンプ確率問題」に記しました。)

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