PGIASを用いたポケモンGOでの対戦(トレーナーバトル・バトルリーグ)対策シリーズの第2回として、本稿では、各リーグに適当なポケモン種族、及び個体の検討方法をチュートリアル形式で示します。
PGIASその1~その3、及び前回を読んでいることが前提です。またExcelが使えることも前提です。
種族の検討
まずは各リーグにおける種族の検討法から書きたいと思います。
スーパーリーグ専用の種族分析を行っているシートとして「種族SL」があります。
種族SL
種族SLシートにはスーパーリーグに適当な種族のみのデータがあります。各種族の、個体値とPLのセルにはスーパーリーグに最適な値が設定されています。
「通常わざ」及び「ゲージわざ1」のセルには、cDPTが最大となる技が設定されています。「ゲージわざ2」にも適当な技(ゲージわざ1とタイプが重ならないようにcDPTが大きい技)が設定されています。
しかし、前回書きました通り、cDPTには「Cyc(周期)が小さいほうがよい」ということは反映されていませんから、設定されているゲージ技が最適とは限りません。厳密に分析するのであれば、各位が最適だと思う技に書き換えたほうが良いでしょう。
上の図では、フィルタの機能を使ってmTCPの降順にソートしてみました。
まあ、さほど外してはいない感じですかね。ワタッコは実戦で見ないですが、ソーラービームが重い(Cycが大きい)からなのかもしれません。ガラルマッギョはマッギョに比べれば重いですがどうでしょう?コータスって何?
尚、一行目にある各ボックスの操作方法は、種族分析シートや個体シートと同じです。
種族マップ
次に、種族SLシートをもとにして、種族マップのスーパーリーグ版を作ってみましょう。
マップの作成
最初に種族マップのシートをコピーして適当な名前を付けます。ここでは「Ms_SL」とします。
そして上部右側にある設定にて、元データの「シート名」を「種族SL」にします。
すると「Y軸」が「cDPT_ms*」に変わります。
そして「マップ再作成」ボタンをクリックすると再作成が始まります。
46秒で完成しました。
縦軸がcDPT、横軸が耐久力です。プロットと原点を頂点とした長方形の面積がmTCPになります。
右上の孤に見えるあたりの種族が強いといえそうですが、ちょっと分かりにくいですね。
補助線の作成
わかりやすくするために、mTCP=一定値のところに補助線を引いてみます。
補助線の設定は、グラフの設定のさらに右にあります。
デフォルトの状態から、「タイプ」を「べき乗」に、「係数a」を140にしました。140はポリゴン2やタチフサグマあたりのmTCP値です。
この設定によって、y = 140÷x の補助線を、横軸で10から40まで引くはず。作成ボタンを押すと…
こんな感じで、mTCP=140の補助線ができました。
耐久力高めのこのあたりでは、補助線の周辺か上方によく見かける種族がいます。
しかし実際に強化をする場合は、マップだけでなくやはり技を検討する必要があります。
補助線を消す場合は、「タイプ」を「なし」にして、補助線の作成ボタンを押します。
その他の操作に付いては、PGIASその2の「種族マップ」の章に書いた通りです。
ハイパーリーグの分析
同様にハイパーリーグについても検討できるようにします。
種族SLシートをコピーして、適当な名前を付けます。ここでは「種族HL」とします。
そしてシートの右側にある設定の「リーグ」の項目を「ハイパーリーグ」に変えます。
そして作成ボタンを押すと、シートをハイパーリーグ対応に再作成します。結構時間が掛かりますので、ご飯かお風呂かテレビの時間にしてください。
完成したのが下の図です。
マップの作り方は前章の通りで、設定の「リーグ名」に「種族HL」を指定して再作成します。
シートが増えファイルが大きくなってしまいますので、シートのコピーは作成せずにグラフを画像で保存したほうがよいかもしれません。
マスターリーグについても同様ですが、マスターは種族分析と種族マップで事足りるでしょう。
個体の検討
続いて、個体シートに入力した個体についての検討法です。
リーグ別潜在値
個体シートに「リーグ別潜在値」という領域があります。ここで、各個体が各リーグに適当かを見ることができます。
セルの説明
各列をざっくり紹介いたします。
「進化先」には、個体にまだ進化先がある場合に、任意の進化先を指定します。すると以降の値は、この進化先になった場合での数値になります。(この領域より右側にある「予測」の領域には、この進化先は適用されません。)
上図では、「タテトチップスs」(タテトプス)の進化先にトリデプス、「マクノ宍道湖s」(マクノシタ)の進化先にハリテヤマを指定し、それぞれを進化させた場合での検討をしています。
PL, CPは最適な(各リーグに参加できる上限の)値です。CP1500等のちょうどの値のときには、前回書きました「PL予測限界」があることにご留意ください。
「mTCP」は、現在の習得技でのmTCPです。「進化先」を指定した場合は、進化で技が変わってしまうかもしれないので空白になります。
個体の検討で重視するのは、次の「わざ変mTCP」と「わざ変mTCP %」(タイトルは「%」)です。
わざ変mTCP
「わざ変mTCP」は、各技がcDPTランク一位の技であった場合のmTCPです。その技は限定技かもしれません。進化強化するのと同時にマシンで技変更もするでしょうから、その個体での最大のmTCPを示すようにしています。
上の図では、スーパーリーグの「わざ変mTCP」で降順にソートしています。種族SLシートと同様に技の軽さ(Cycの小ささ)なども検討する必要がありますが、おおよそ参考になるかと思います。
このように「わざ変mTCP」によって、異なる種族間での比較が可能になっています。しかし、ある個体の個体値が、リーグに対して適当なのかどうかは、この値ではイメージし難いです。
わざ変mTCP%
それを改善したのが、次の「わざ変mTCP %」(以降単に「%」)です。
この指標は、個体値FFFを「個体値100%」と言うのと同じ感覚で、スーパー・ハイパーリーグについても言えるようにと考えて作りました。その計算式は以下になります。
- わざ変mTCP% = (わざ変mTCP - 最小値)÷(最大値 - 最小値)×100
ここに最小値は、その種族での個体値の組み合わせ4096通りの中で最小のmTCPの値、最大値は同様に最大のmTCP値です。
全ての個体値の組み合わせ4096通りの中で、わざ変mTCPが最大の時に「%」は100になり、わざ変mTCPが最小の時に「%」は0になります。
実際にはほぼこの「%」のみを見て個体値が適当かを判断しています。先の図のように、いずれかのリーグで90以上を目指し、それ以下でも手持ちで最大なら取りあえずキープします。
しかしたまごやレイド産しかいない種族ではそのようにいきません。上式の最大値や最小値は6^3でなく16^3通りでの値ですから。
個体マップ
次に、スーパーリーグ用の個体マップを作成しましょう。
マップの作成
個体マップのシートをコピーして適当な名前を付けます。ここでは「Mi_SL」とします。
そのシートの上部右よりにある設定の「自動目標」に「スーパーリーグ」を指定します。すると「CP上限」「予測CP下限」「Y軸」「Y軸予測」等が適当に書き換えられます。「予測CP下限」は適当に書き換えてください。
そしてマップ再作成ボタンを押すと、マップを作り始めます。
2分弱で完成しました。
種族マップと同様に、右上の孤(というより直線状)のあたりに見える個体が強くなると言えそうです。
ここで3点注意があります。
- 「リーグ別潜在値」のところで設定した「進化先」は反映されていません。現時点での種族で評価され、CPの範囲内であればプロットされます。
- 矢印の先の予測値は、そのリーグに参加可能な上限のPLで計算されています。個体シートの「予測PL」ではありませんので、個体シートにおいて特に「目標PL」を設定していなくとも、適当な予測になります。
- 矢印の先の予測値は、個体シートにおける手持ちの技か、予測の領域の「目標わざ」で計算されています。先の「わざ変mTCP」のようにcDPTランク1位の技にはなっていません。
簡単に言うと「予測PLがリーグに最適になる以外は、個体シートの予測領域のママ」です。
補助線の作成
種族マップと同様に補助線も作成できます。
これまたmTCP=140の補助線です。
何匹かはスーパーリーグでのPL上限に達しており、矢印の先だけ左上に見えている状態です。
次投入するとしたら、ガラルマッギョ(マッギョガス)かトリデプスですかね。トリデプスなら上図の「タテトプラス」でなく、タテトプスのままのもう一匹にします。クレセリアはアメが足りません。
ハイパーリーグ、マスターリーグについても同様にマップを作成できます。マスターリーグの場合、予測PLは全て40になります。
おわりに
以上、各リーグにおける、種族及び個体の検討法でした。
しかし最高の相棒のレベル41には対応していません。私がまだTL37ということが理由ですが、他例えTL38 になったとしても対応は難しいですね。単純に計算量2倍、表示領域2倍必要になりますから。
次回は対戦における特定の相手の対策について書きたいと思います。