さくらレンタルサーバーにdotProjectをインストールする(その1)

本シリーズでは、プロジェクト管理ツール「dotProject」のインストールをレポートします。

まずは、インストールから初期設定、試しにプロジェクトとタスクを作ってみるまでです。

はじめに

ちょっとしたタスク管理が必要になりました。(todoリストくらいの)

Google先生に聞いていろいろと見て回り結局、十分プロジェクト管理ツールとして通用しそうなdotProjectを入れてみることにしました。

いろいろと文字化けに苦しめられましたが、なんとか日本語化できましたのでレポートします。

環境

本稿での環境は以下になります。

  • さくらレンタルサーバー
  • PHP 5.4
  • mySQL 5.5
  • dotProject 2.1.8

さくら特有のことを書きますが、そこをスキップすれば他の環境の方もご参考になるかと思います。

本稿はdotProject 2.1.8に関してですので、その他のバージョンでは本稿の内容と異なることがあります。

またphp.iniは、サーバコントロールパネルにて最低限の以下を設定しています。

date.timezone = Asia/Tokyo
default_charset = UTF-8

参考ページ

dotProjectのインストールで参考させていただいたページは以下です。

ダウンロードとデプロイ

ではダウンロードから始めましょう。

ダウンロード

ご本家のトップページのLatest Newsのところからリンクされている、sourceforgeのFilesページに行きます。

するともう上の方に「Looking for the latest version? Download dotproject_2_1_8.zip (5.2 MB)」と書かれていますので、これをクリックしてdotproject_2_1_8.zipをダウンロードします。

本稿ではFTPでデプロイしますが、SSHコンソールでwgetされる方は、クリックした次のページに「dilect link」がありますので、こちらをコピペしてください。

ダウンロードしたzipをローカルに解答すると、「dotproject」というフォルダができます。

日本語メッセージファイルのダウンロード

予め日本語メッセージファイルを入れておきます。

HiromiKimuraさんのサイトのPatch/dotProjectのページに行って、「dotProject-2.1.5」章の「パッチ」節にある「dotproject-ja-1002.zip 日本語メッセージファイル」をクリックしてダウンロードします。

尚、本稿ではver.2.1.8をインストールしますので、パッチは使いません。(しかし次に書きますガントチャートの日本語化にて、だいぶソースを弄りますのす。面倒ですので、ver.2.1.7を入れることにして、ここのパッチを適用するという手もあります。)

これを展開した中にlocalesとmodulesの2つのディレクトリがありますので、これらの中のファイルを、dotprojectの対応した位置に移動します。

エクスプローラーで、2つのフォルダをdotprojectの中にドラックするだけです。dotproject/localesの中に、enとならんでjaのフォルダがあることを確認してください。

デプロイ

以上ができたら、dotprojectをまるごとFTPでPUTします。本稿では、dotprojectをドキュメントルートに置くことにします。

データベースの作成

FTPでPUTしている間にmySQLのデータベースを作成します。

名前はdotproject(さくらではプレフィクスが付きます)、文字コードはUTF-8にします。

サーバー名とユーザー/パスワードも確認しておいてください。

インストール

インストールは、ドキュメントサイトのInstalling dotProjectのページを参考にします。ドキュメントの「2 Installing a New System」の章のステップ1は終わっているので、ステップ2から行います。

(このドキュメントサイト、Chromeではメニューが下の方に表示されています。(^^;)

本稿では、デプロイしたdotrojectのディレクトリが、「http://your.site/dotproject/」でアクセス出来るとして解説します。以降URLの表記は各位の環境に読み替えてください。

ステップ2

ブラウザから「http://your.site/dotproject/install/」にアクセスします。

以下の画面が表示されます。

なんか、たくさん×が付いています。

ステップ3

RequirementのSession Save Pathだけ対応することにします。

LDAPは使いませんし、Recomended PHP Settingsも条件を読むとそう必要でもなさそうですので。

FTPでもSSHでも、適当なディレクトリを作成し、適当なパーミッション(777なら間違いなし)にします。レンタルサーバーの場合は自分のホームの下に作成します。

そしてphp.iniに以下を追加します。

session.save_path = "/home/yourhome/temp"

ダブルクォーテーションの中は、作成したディレクトリのパスに読み替えてください。

対応が終わったら、ブラウザでinstallのページをリロードします。

Requirementsは満たしましたので「Start Installation」をクリックします。

(ドキュメントには、「パーミッションも確認しろ、とも書いてあります。」)

ステップ4

続いて、データベースの設定をします。

作成したデータベースの情報を埋めます。

「Download existing Data」につきましては、新しくデータベースを作ったので無視します。もし既存のデータベースで他のアプリと共存させる場合は、ご注意ください。

そして右下の「install db & write cfg」をクリックします。

うまくいけば、上の画面になります。

もしエラーが出ましたら、前の画面でデータベースの設定をご確認ください。

ステップ5

ステップ5には、「dotproject/includes/config.phpができたよ」ということが書いてあります。

特にすることはありませんが、config.phpをFTPでGETし、ローカルに持ってきたりします。(データベースの設定が書かれているのみでした。)

ステップ6

dotProjectにデフォルトの管理ユーザーでログインします。

ブラウザでhttp://yure.site/dotprojectにアクセスし、以下を入力します。

User Name:    admin

Password:    passwd

すると、以下ような画面が現れます。

ステップ7

セキュリティのために、FTPまたはSSHでinstallディレクトリを削除します。(ローカルも削除した方が、再びPUTしてしまう間違いがないでしょうね。)

そして管理パスワードを変更します。

右上の「My Info」をクリックして、ユーザー情報を表示させます。

水色のボックスの右上に「Change password」がありますので、ここをクリックします。

ポップアップより、新しいパスワードを入力します。

以上でインストールは終了です。お疲れ様でした。 ^^) _~~

日本語の設定

ここから、日本語の設定に入ります。

日本語表示の設定

上部メニューより「System Admin」を選択します。

そして「Default User Preferences」をクリックします。

Localeを「Japanese(JA)」にします。後はお好みですが、日付の表記はY/M/Dにした方が馴染みが良いでしょうか。

大よそ赤枠の部分を変更しましたら、右下の「Submit」をクリックします。

ここで一度、右上の「Logout」よりログアウトし、新しいパスワードでログインしなおします。

このように、日本語表示がなされました。

日本語入力のための修正

この節は、さくらレンタルサーバー特有の修正になります。(他の環境の方はスキップしてください。)

さくらレンタルサーバーでは、この状態では入力した日本語が文字化けする、という現象が出てしまいます。調べたところ、INSERTまたはUPDATEする前の関数mysql_real_escape_stringを通った後に文字化けするようです。

HappyQualityさんの「[EC-CUBE][さくら]mysql_real_escape_stringで化ける」によりますと、MySQLのcharacter set clientの文字コードがさくらでは「ujis」になっているからで、Connectの後に「mysql_set_charset(“utf8”);」とすると解決するとのことです。

dotProjectではデータベース操作にadodbというライブラリを使っており、これを修正することにします。

「dotproject/lib/adodb/drivers/adodb-mysql.inc.php」のメソッドConnectの最後、371行の下に「mysql_set_charset(“utf8”);」を追加します。

	if ($this->_connectionID === false) return false;
	mysql_set_charset("utf8");	//	2016.05.16 yujakudo さくらでの文字化け対応
	if ($argDatabasename) return $this->SelectDB($argDatabasename);
	return true;

ローカルで修正したら、FTPでPUTします。

(adodbの最新版は修正されているのかもしれませんが、adodbを使う他のアプリでも、さくらレンタルサーバーで使う場合は同様の修正が必要になるかもしれませんね。)

確認

最初のユーザー(管理ユーザーとしての自分)を作成することで、入力の確認をしてみます。

上メニューの「ユーザー管理」を選択します。

右側の「ユーザーの追加」をクリックします。(カーソルが指になりませんなあ?)

フォームで必須の項目を埋めます。ここで名前は日本語で入力します。(姓、名の順で良いでしょう。)

右下の「送信」をクリックします。

本名に、文字化けせずに名前が表示されていたら成功です。

基本情報の入力

続いて、基本情報を入力していきます。

会社・組織とプロジェクトの作成

最初に会社を作成します。

画面は掲載しませんが、上メニュー左端の「会社・組織」、右側の「新規会社・組織情報」をクリックして、自分の組織の情報を入力します。名前と、種類を「内部」にするだけでよいでしょう。

そして右下の「送信」をクリックします。

同様に上メニューの左から2番目より、プロジェクトも作成します。

プロジェクト名、会社・組織、それと開始日、終了日を入れればよいでしょう。

ここでは「dotProjectの設定」というプロジェクトにします。(もうだいぶ進行しています☻)

タスクの設定

プロジェクトの一覧から、プロジェクト名をクリックするとそのプロジェクトが表示されます。

(日本語化しきれていないのは、2.1.5対応のメッセージファイルを入れたからですね。後から翻訳可能です。たぶん。)

右上の「新規タスク」をクリックして、タスク追加の画面を開きます。

タスク名その他を設定します。

下のタブもめくって、必要な情報を入力します。

(現状では残業できませんが、したい(させたい)のであれば、後程設定を修正します。「就業日」が文字化けしていますね?)

取りあえず2つほど入力してみました。

タスク表示の左上「このプロジェクトを表示」をクリックして、プロジェクトの表示に戻ります。

タブの「ガントチャート」をクリックして、ガントチャートを表示させますと…、

日本語のところが、□だったり?だったり、文字化けしたりしていますね。(今日はここまで。)

まとめ

以上、dotProjectのインストールと最初の設定をしました。

そして、プロジェクトとタスクを作ってみました。

次回は、文字化けしているガントチャートを日本語対応していこうと思います。

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