半年くらい前に、ネットで「かけ算の順序」が話題になりました。曰く、
「子どものテストで、3×8と書いたら×(バツ)がつけられた。正解は8×3だそうだ。」
との憤慨の内容でした。
この「なぜかけ算に順序を付けることが必要か?」について調べ、問題点を整理し、改善提案をしました。
問題になったのは1972年と古いのですが、未だに再燃する未解決問題のようです。
(2014年4月15日:3月16日付でWikipediaの「かけ算の順序問題」が更新されていました。それを見て、ちょっとだけ追記します。また「半年前(2013年秋)にブーム」と書いていますが、どうやら毎年秋(小2でかけ算のテストがある時期)の年中行事らしいですね。)
はじめに
この問題についてfacebook(以下FB)にこんな投稿をしました。
半年くらい前にネットで話題になった「小学校で『8×3』が正解、『3×8』は不正解」の件について今更。
当時シェアされていたブログ記事には「教える先生の考え」を欠いていたので、Google先生と考えてみたこと。
どうやら「係数を先に書く」らしいです。(y=2xと書いても、y=x2とは書かないようなもの。)
「一個300円のみかんが5個の値段」の場合は、
300[円/個] × 5[個] = 1500 [円]
今でこそ係数の概念もMKS単位系の概念もあるので理解できますが、小学生にこれを理解させるのは至難の業のように思います。
# 鶴亀算を連立方程式を立てずに解くとか、算数って高度ですよね。
私としては、話題がホットなときに乗り遅れた自虐と、単純に自分が興味深く思ったことを、軽い気持ちで投稿したのですが、以外と多くのコメントを頂きました。
そのやりとりの中で思ったことを、FBに投稿するには長くなりそうなので、ブログに書こうと思います。
前置き
今回は恐らく読まれる方がいつもと異なるので、語弊が生じないように前置きをさせて下さい。
Wikipediaの引用
学校のレポートにてWikipediaからの引用の是非問題があります。本稿ではWikipediaのページに参照先が明記されていて検証できる記載のみを引用します。
私の立場
私は一介の技術者で、教員でも数学者でもありません。この記事もネットで情報を集めただけで書いています。また小学校のときは、かけ算の順序に関わらず、マルをもらっていました。
そして私の意見は「交換法則が成り立つのでバツをつけるのは反対」です。しかし半年前に主流を占めた意見とはやや異なります。
「数学では乗算の交換法則は真理なので不正解とするのはおかしい」という意見ではありません。
用語の定義
この記事で私が使う用語を明確にしておきたいと思います。
- かけ算:小学校算数で教えるかけ算。演算子は「×」。
- 乗算:数学における乗算。演算子は「・」または省略。
- 可換、非可換:交換法則がなりたつこと、および成り立たないこと。
- 環:四則演算が定義された数学の環境。
- マル:テストの採点の記号「○」。
- バツ:テストの採点の記号「×」。
- 立式:文章から式にすること。
4点目の「環」に関しては、数学的には厳密でありません。何しろ私は環と体の違いがわかっていませんから。
また、この問題の理解に、私は、「係数」、「独立変数」、「従属変数」という言葉を使いました。
「y=ax」という関数があったとき、
- 係数:「a」にあたる、問題定義の時に固定される基本的な数値。
- 独立変数:「x」にあたる、問題定義の時に変化させうる数値。
- 従属変数:「y」にあたる、独立変数の変化にともなって変化する数値。
学校での数学では、yからxを求めたり、グラフから係数を求めたりする出題されます。従って「問題定義≠学校の出題」ですので、念のため。
かけ算の順序
私の言葉で、先生や教科書出版社がマルを付けるかけ算の順序を表すと、以下のようになります。
係数 × 独立変数 = 従属変数
FBで頂いたコメントでは、とある学校では以下のように表されているようです。
一つ分の数 × いくつ分 = 全部の数
かけ算に順序がある理由
最初に、かけ算に順序がある理由を考えます。
参考ページ
かけ算の順序を教える先生の立場を知ろうとして見まわった、半年前のブームの時のページは覚えていません。そこで改めて参照した、Wikipediaのページとブログを示します。
- 「かけ算の順序問題」, Wikipedia (リンク先は2014年2月17日のアーカイブ)
- 「教科書会社のトップ「東京書籍」に言わせると、「5×3≠3×5」らしい。」, 小学校笑いぐさ日記
特に後者は、学校関係者が東京書籍の算数の教科書を批判的に検証しており、大変に興味深いです。
またWikipediaによると、この問題は1972年の朝日新聞の記事からだそうです。単にネットのブームではなく根が深いんですね。
かけ算の順序を決めている人
Wikipediaから引用します。
文部科学省初等中等教育局教育課程課は中日新聞の取材に答えて「かけ算の意味を理解させるよう定めているが、順序については国が定めるものではない」と述べるとともに、指導要領解説の「10 × 4は、10が四つあることから、40になる」を根拠に「順序に意味がある」とする解釈については「深く考えすぎだと思う」と否定している。
(栗山真寛 (2012年11月5日). “2×3? 3 × 2? 算数の文章題でこだわる”順序””. 中日新聞 (中日新聞社): p. 6)
ということで、かけ算の順序を規定しているのは文科省ではありません。
そしてWikipediaや小学校笑いぐさ日記さんの記事によると、啓林館や東京書籍といった教科書の出版社は、かけ算の順序を定めて教えることを推奨しているようです。
Wikipediaには以下のような記載もあります。
指導書は「式」と「計算」を区別して扱っており、「計算」では交換法則が成り立つが「式」には順序に意味があるので勝手に順序を変えることはできないとしている
(高橋誠,『かけ算には順序があるのか』,岩波書店〈岩波科学ライブラリー〉,2011)
ここで「指導書」とは、補注によると以下のようです。
指導書とは、教科書出版社が現場教員向けに作成するマニュアルで、文部科学省が作成する学習指導要領とは関係ない。学校関係者以外の者が指導書を閲覧したり購入したりすることは非常に困難である。
最終的には現場の先生の裁量になります。
FBでは「(順序が違っても)高学年ではマルにすることもある。小2では基本的にバツ。でもマルにする先生も見たことがある。」とのご意見を頂きました。
順序規定派の意見
前述の参考記事や他の記事を見てみると、「かけ算の順序を規定すべき」とする意見には以下があります。
例として、「3枚のお皿の上に2個ずつりんごがあるとき、全部でりんごはいくつでしょう?」という出題があるとします。
- 小2の導入時に、「2+2+2 = 2×3」と教えるため。
- 係数(2個/枚)と独立変数(3枚)の違いを理解させたい。(理解していることを確認したい。)
- かけ算の後で導入される、わり算が非可換なので、「演算は可換」との誤解をしないようするため。
- わり算の導入時に、求めるものが係数(個/枚)なのか、独立変数(枚)なのか、理解させたい。
いずれも、導入とその後の学習がスムーズになることを鑑みた意見です。
4点目に関しては、わり算を以下のような表現で導入することに関係がありそうです。
□ × 3 = 6
2 × □ = 6
問題に対する考察
かけ算の順序規定に賛成の意見を整理しました。
これに反対の意見の主流は、「交換法則が成り立つので不正解ではない」というものです。
これらについて考察する前に、問題そのものについて考えてみます。
算数は数学か?
この節では、変なことを書きますね。
この節の内容は「かけ算の順序に反対」に対する反論ではありませんのでご注意下さい。あくまでも私の感覚です。
数学における交換法則
数学における一般的な環は、乗算に可換です。しかし乗算に非可換な環もありえます。具体的には行列の乗算がそうです。
なので「乗算に交換法則が成り立つのは真理」というより、「学校教育でつかう環では、乗算は可換であると定義されている」と言ったほうが、私にはしっくりきます。(公理から導かれた体系が数学だと思っています。)
また多くのプログラミング言語では、乗算の演算子は「*」で通常は可換ですが、オブジェクト指向のプログラミング言語では書き換えて非可換にすることができます。(行列演算のプログラムとか。)
なので私は、かけ算の演算子「×」が非可換だと定義されていても、あまりショックは受けません。
算数における式とは?
算数における「式」とは、「formula」でなく「expression」のようです。それも「mathematical expression」でなく、文字通りの「表出」という意味で。
先に引用しました記述(「指導書は「式」と「計算」を区別して扱っており、「計算」では交換法則が成り立つが「式」には順序に意味があるので勝手に順序を変えることはできないとしている」)を見ても、教科書出版社は「式」を「expression」、「計算」を「mathematical expression」と定義しているようです。
数学と算数の間の壁
中学の数学では負の数が導入されます。負の数の演算は、小学校での、四則演算を導入したときの考え方が成立しません。(例えば「2-(-4)=6とか、(-3)・(-2)=6とか)
実際に混乱する生徒はいます。学生時代に家庭教師をしたときに考えさせられました。(結局数直線と条件反射?)
小学校での四則演算の導入のための説明すべてが、数学的ではないように思います。
結論
上のような考えから私は、算数は数学ではない、と思っています。
またWikipediaには「等分除」、「包含除」という耳慣れない言葉がありました。これらも数学用語で聞いたことがありませんので、教育界で定義した算数用語だと思います。(前者が係数を求めるわり算、後者が独立変数を求めるわり算のことのようです。)
課題の定義と問題の再定義
課題の定義
課題は「かけ算に順番を定めるべきかどうか」ではなく、以下のようなものだと思います。
- どのようにしたら、ほとんどの小学生が混乱なく四則演算を身につけられるか。
- どのようにしたら、ほとんどの中学生が混乱なく数学の考え方を身につけられるか。(四則演算、交換法則、結合法則も含む)
教科書や先生がかけ算の順序を規定しているのは、1点目の理由によります。また数学者がかけ算の順序に反対なのは、2点目に問題がある、と感じているからなのではないでしょうか。
問題の再定義
課題を定義したところで、問題も再定義したいと思います。
- かけ算の順序で逆に子供は混乱していないか?
- かけ算の順序で、子供が理解しているかどうかが本当にわかるのか?
- 算数の教え方により、数学の導入時に子供は混乱しないか?
- バツを付けることで、子供は萎縮しないか?
問題に対する考察
かけ算の順番による混乱
Wikipediaには以下の様な記載があります。
また、一旦、絵にもとづいて式と答えを書くことができるようになった児童が、かけ算の順序を指導された後、文章題が解けないと言い出し、式を書くのを躊躇するようになった例が報告されている。
(宮田佳緒里・海老名正司・工藤与志文 ,「かけ算の意味理解を促すための問題状況の図示の試み」,教育ネットワークセンター年報: 53-60,2011)
これは可愛そうですね。
また小学校笑いぐさ日記さんの記事では、東京書籍の教科書が、式の順序を強調すると同時に、交換法則も(小2から)教えるように記載しているという、混乱しやすい点を報告されています。
式の順番で理解を測ること
先生(と教科書出版社)が子供に理解して欲しいのは、係数と独立変数の区別だと思います。式での数字の順序のみをみて理解度を測ることには、以下の問題が考えられます。
- 子供の考え方により、係数と独立変数は異なりうる。
- 子供が係数と独立変数を理解しており、さらに交換法則も理解した上で立式した場合は評価不能。
- 子供が「ずつ」といったキーワードで覚えた場合、キーワードがない文章では理解できない。それが評価できるか?
1点目に関して、先の「3枚のお皿の上に2個ずつのりんご」を例に取ると、3枚のお皿に一個ずつ2回に分けてりんごを載せることをイメージして以下のように考えてしまう場合がありうる、とのことです。
3 [個/回] × 2 [回] = 6 [個]
実際にどのくらいの子供がこう考えるのかは、興味のあるところです。
数学の導入時の混乱
中学生になって数学が導入されるときに、混乱しそうな点として思いつくことは以下です。
- 負の数や交換法則、結合法則などの概念拡張。
- 交換法則や結合法則を用いた計算テクニック
- 方程式の概念(移項を含む)
1点目は純粋に概念拡張で、算数の教え方の問題ではないかもしれません。
2点目は、もし乗算の順序に固執してしまう子供がいたら、効率のよい式変形ができず損をするかも知れません。
3点目については、算数では「=」は答えを求める記号でした。しかし数学では等号です。(プログラム言語でいうと、前者が代入演算子、後者が比較演算子ですね。)
私自身、中学生のときに前者のつもりで使ってしまい、先生に指摘された覚えがあります。
現場の中学校の先生には、小学校の先生あるいは教科書出版社に言いたいことがもっとあるかもしれません。
バツを付けるということ
バツをもらうということは、子供にとっては案外苦痛なのではないでしょうか?指導だけでも、先に示した、「式を書くのを躊躇するようになった例」があります。
私は、中学校の理科のテストで、正解が「1気圧」の問題を「1013mbar」と書いてバツをもらったことを、30年経った今でも覚えています。
一般的にはマルが正解、バツが不正解とされています。
ネットにてこの問題がブームになったのも「交換法則が成り立つのに不正解」だからでしょう。一般的には不正解ではないのに、教師(あるいは教科書)が望む回答ではない、という理由でバツを付けるのは問題がありそうです。
問題に対する提案
これから再定義した問題に対して検討し、対処方法を考えます。
しかし、かけ算の順序問題は40年も問われられ続けている問題です。一介の技術者である私が学校教育に物申しても変わるとは思いません。
そこで以降は、子供に勉強を教える、世のお父さんお母さん、家庭教師の先生に贈ろうと思います。
概念に名前を与える
子供だけでなく、人間は言葉によって概念を認識します。
例えば2000年前後に「萌え」という言葉ができました。それ以前は恐らく「可愛い」の範疇でしょうが、言葉によって概念が明確になりました。(もっとも「可愛い」が、prettyなのかcuteなのかlovelyなのかは依然わかりません。)
薬学の先生である池谷裕二さんは「脳には妙なクセがある」(扶桑社,2012)の中で、『異なる青色をそれぞれ2つの名前で表している民族は、「青」だけの民族に比べて2つの色の判別力が高い』という事例を挙げています。
前置きが長くなりましたが、私がかけ算の順序問題を理解するのに、係数、独立変数、従属変数、という名前で理解したのと同じように、それぞれに対して子供にもわかりやすい名前を付けてあげましょう、という提案です。
かけ算やわり算の数字について、今の小学校ではどのように名前をつけているのかわかりませんが、私の時代には「かけられる数」、「かける数」、「わられる数」、「わる数」のような表現でした。これらは概念を表していません。また現在、「○○個ずつ」というキーワードはあるようですが、名前までにはなっていません。
もしかしたら既に名前があったり、あるいは独自に付けている先生もかもしれませんが、私の見たネットの範囲ではありませんでした。
以降では、子供に適切かはわかりませんが「一つ当たりの数」、「もつものの数」、「全体の数」と名前を付けてあげることにします。
(2014年4月15日追記)
2013年3月16日付けのWikipedia「かけ算の順序問題」には、以下のようにあります。(教科書出版社等は不明。)
小学校2年生の算数教科書では、
1つぶんの数 × いくつ分 = ぜんぶの数
として、かけ算の導入がなされる。
FBコメントで頂いた情報と同じですね。以下、私の言葉は読み替えて下さい。m(_ _)m
式に前段階を与える
前述のように、算数における「式」(expression)は数学の「式」(formula, mathematical expression)と意味が異なります。
理想論
理想は、現在の算数における「式」(expression)の名前を「立式」とか「式表現」とかに変え、(仮に後者として)「式表現」(expression)、「式」(mathematical expression)、「答え」の3段階にすることです。
ここに、「式表現」は順序を規定することにし、その上言葉による補足をありにします。「式」は数学の式(交換法則が成り立つ)と一致します。
「式表現」に前項での名前と、単位を補足することにすると、「3枚のお皿の上に2個ずつのりんご」の問題に対する解答は以下のようになります。
[式表現] (1つあたりの数) 2個 × (もつものの数)3枚 = (全体の数)?個
[式] 2 × 3 = 6 (※ 3 × 2でもマル)
[答え] 6
これならば、採点する先生は子供が文章を理解しているのかどうか分かりますし、方程式の概念も表しています。そして(1つあたりの数)と求める(全体の数)の単位が同じことに気が付き、「速さ」にてなされる単位系の導入にもなりそうです。
また交換法則を理解していて活用したのかどうかも分かります。なにより、式には交換法則を活用してもよいので、「かけ算の順序問題」はなくなります。
また数学の導入時に、「式」の概念を変える必要もありません。
現実の対応
しかしこの章の冒頭に書きました通り、学校教育はそう簡単に変わりません。そこで小学校の先生向けの「式」(expression)はそのまま受け入れ、お父さんお母さんや家庭教師の先生は、その前段階で「式表現」(expression ver.0)を導入してあげることにします。
[式表現] (1つあたりの数) 2個 × (もつものの数)3枚 = (全体の数)?個[式] 2 × 3
= 3 × 2 = 6
[答え] 6
ここで「式」には、「式表現」の順序をそのまま下ろしてあげます。もし交換法則を使うなら、次の行でさせることにします。(一桁のかけ算なら必要ないかもしれませんが、桁が増えた時は交換法則で簡単にならないか考えます。)
「式表現」に取り消し線を引いているのは、もし子供がテストで「式表現」と書いてしまったら、先生が×にする恐れもあるからです。取り消し線は消しゴムを使うより時間がかからずきれいですし、思考の過程も残ります。
しかし中学に上がって「式」の概念が変わり、方程式の概念が加わるときには注意してあげる必要があります。
バツの概念を変える
私が小中学生の頃は△を付けて配点をサービスしてくれた先生もいたものですが、今はどうなんでしょうね?
理想は、前節の理想論のような「不正解ではないのに、バツが付けられる」状況をなくすことですが、ここでも現実の対応を考えます。
私が思いつく対処としては、勉強を教えるお父さんお母さん家庭教師の先生が、「不正解ではないけど、学校の先生の都合によりバツ」の記号を考え、テストに上書きしてあげることです。
☆でも◇でも構いません。(北野先生がグー、チョキ、パーで手を挙げさせたことに似ていますね。)
学生時代に家庭教師をしていたときも「この問題はバツだけど、僕ならマルにする。学校の先生には合わなかったみたい。その理由は…」というような教え方をしていました。
つまりは、バツでも(一般において)不正解でない場合がありうる、と子供の概念を変えてあげ、ショックを和らげることだと思います。
おわりに
思いの外長くなってしまいました。
最後に学校関係者に向けて思うところを書きたいと思います。
結局は学校教育?
かけ算の順序問題についての対策を提案しましたが、それらのような工夫をしなくても、現状で十分対応できる子供もいます。また家庭教師を雇う余裕がなく、お父さん、お母さんが忙しくて勉強を見てあげられないこともあると思います。
本質的には学校教育の問題ですし、実は「課題の定義」の節では「ほとんどの小学生が」、「ほとんどの中学生が」というように先生の視点で書いていました。現実的なものにしようと各家庭向けの提案の形にしましたが、学校教育に対する提言だとしても基本的には変わりません。
学校関係者に向けて
私のような素人でも調べて考えると、これだけの文章が書けました。現場の先生はもちろん、日々いろいろと考えており、また改善活動をしていることと思います。(もちろん先生も人間ですし、一部に評判を下げる先生もいます。また個人の改善を妨げる政治力学もあるかもしれません。)
また親御さんと家庭教師の対象は一人ないしは数人ですが、先生は数十人であるという違いも注意すべきことです。
以上を踏まえつつも、昨年のネットでのブームに思うところは、学校の先生が子どもや親御さんに「かけ算の順序が異なるとバツの理由」をちゃんと説明できるかどうか、です。もしできているのであれば、ブログ記事になって拡散されたとしても、その理由を伝える人はでてきます。
72年からの問題に、昨年ブームがあり、さらにそれが去った半年後でも、私のFBのタイムラインのようにまだ関心のある人がいるということは、さらなる説明と工夫が必要なのではないのでしょうか?
(かけ算の順序だけでなくその他の論議されうる事項についても、また先生以外の職業にもあてはまりますが。)
記事を書きました。ご覧いただけると幸いです。
http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20140410/1397082119
記事を拝読いたしました。
私は、リファレンスを辿ったり、一次はもとより二次資料にもあたることはしませんので、他の方々(研究者やメディア編集者)にお任せします。
この記事の意図としては、「アウフヘーベンの試み」が一番近いでしょうか。
初めまして。
算数で言うところの 1つぶんの数 × いくつ分 = ぜんぶの数 は、係数 × 独立変数 = 従属変数 とはことなります。
http://ameblo.jp/metameta7/image-11806947958-12889967869.html
この画像の右側には、y=x×きまった数 という表記があります。
つまり、1つ分が変数、いくつ分が定数になる場合もあるので、その場合は、変数×定数にしないとならないということです。
とはいえ、教えている側も混乱していて、↓こういうこともあるようです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1273260777
コメントありがとうございます。
6番の問題は確かに興味深いですね。(「表すこともあります。」という表現が微妙ですが。)
6年生の先生としては以下のオプションがありそうですが、どうなんでしょう。
・2年生からの「1つ分×幾つ分」を基準にマル・バツ
・左ページの「y=決まった数×X」を基準にマル・バツ
・交換法則が成り立つので、どう書いてもマル
ご提示のページの親記事
http://ameblo.jp/metameta7/entry-11806947958.html
も興味深いですね。